人生の煮っ転がし

人生の煮っころがし

マカロンを都落ちさせてみたい

かわいいお菓子といえばマカロンである。贈り物・手土産としても人気が高くスウィーツ店やケーキ屋に行けばだいたいいくつかの種類が販売している。バレンタインデーやホワイトデーの時期にもボンボンショコラやガトーショコラなど歴戦の実力者に負けず劣らずの商品展開をみせるお店もある。

 

 私はマカロンを含めスウィーツ全般けっこう好きだ。しかしだからこそ気になってしまう。マカロンの人気を素直に受け入れられない。カロンは本当にその実力で今の地位を築き上げたのだろうか?みんなマカロンに甘い幻想をみているのではないだろうか?(スウィーツだけに)

 

 そういうことで一つ考察をしてみたいと思う。

 

 

ちなみに“スウィーツ”とか書いたけど私はこの呼称にまだ若干の恥じらいを感じてしまう。スウィーツて。スウィーて。スウィーツという呼称には都会的な、あるいは煌びやかな雰囲気を感じるからだろう。私は彼らをスウィーツと呼ぶに相応しい人間ではないのではないか。しかしそれならばと“甘いもの”などと呼ぼうものなら急激に年寄りくさくなってしまう。実に悩ましい。実に悩ましいがここではスウィーツと呼ばせていただこうと思う。恥じらいながら。

  

まず、マカロンの人気について。マカロンの人気は味や見た目以上に、そのなんともかわいすぎる名前の力が大きいのではないかと私は考えている。もちろん美味しくないわけではないけど、“これはマカロンという名のスウィーツである”という認識が少なからず影響している気がする。というか「マカロンください」って言うだけでもうかわいいし。ケバい化粧で不良とつるみ近寄りがたい雰囲気を放つギャルも、黒いスーツを着た強面で肩幅が広いおじさんも、この言葉を発しているその瞬間だけはかわいさで溢れているのではないだろうか。

 

 

私は個人経営の洋菓子屋でバイトしてる男子高校生。大通りから外れたところにある小さなお店。数人の常連客以外は滅多に来ない。退屈な店番。

カランコロン。1時間弱ぶりに聞くドアベルの音。

女の子「あっ……」

去年同じクラスだった女の子。名前はなんていったっけ。地味目で気に留めたこともない女の子だ。この店に来るのは初めてだろう。

女の子「あの……このマカロン5個セット、ください……。」

私「えっ、あっ、はい!1296円でございます……!!」

 

 私「ありがとうございました……。」

 

私「……………………。」

 

 

 

 

ほら、やっぱり。やっぱりかわいい。もう私は彼女のことが気になってしまう。次の日から彼女のクラスの前をうろうろすることになる。お店のチラシを渡すという口実で彼女に話しかけたいけど勇気がなくもじもじすることになる。

ちなみにわかりやすく私を男子高校生という設定にしたけど、性別は問わず、また相手を教師やいつも同じバスに乗る人、隣の家の子などにしてもだいたい同じ結果になります。ただし自宅用であることが不可欠。

 

 


さて、仮にマカロンという名前がかわいすぎることがマカロンが高い地位に至った大きな要因だとするならば。であるならば、だ。

 

 

 

もしマカロンが『ドロタボー』 という名前だったら。

 

カロンがそのかわいらしい名前を獲得しなかったら、ドロタボーという名を授かり生まれてきたら、その味と見た目だけで現在の地位まで登りつめることができただろうか。
カロンが好きだと話していた人達はドロタボーを買って食べるだろうか。ガトーショコラやボンボンショコラと同じだけスペースを使っていたお店はドロタボーにスペースを割くだろうか。ドロタボーを買いに来た女の子に男子高校生の私はときめきを感じるだろうか。

 

スウィーツ店の端っこにあったりなかったりするような、スウィーツ好きなら知っているような、何かの機会に初めて食べて「へぇ〜、こんなのがあるのか。」で終わるような、そんな外国のお菓子くらいのポジションに落ち着くのではないだろうか。(現在のギモーヴくらいのポジション)

 

 

 

 

そんなことを私はぼけーっと考えていました。

 

 

 

 

はい。以上が私の思い描くマカロン都落ち

おしまい。もうやめます。自分でも何をいっているのかわからない。マカロン都落ちってなによ。

 

 

 

ちなみにドロタボーとはファイナルファンタジー13-2に出てくるモンスター。大して強くない。